痔の中で一番多い内痔核とは
肛門はもともと血管の豊富なところです。便を出すときのいきみなどによって、おしりに負担がかかり、静脈がこぶ状に大きくなってきます。さらに固定がゆるくなり、おしりの外へ出てくるようになります。脱出と出血が主な症状です。便が出た後に手で押し込むようになったり、出っぱなしになって不愉快な思いをすることがあります。出血は紙につく程度から、便器が真っ赤になるほどふき出ることもあります。
当院の治療法
便秘や下痢をしないように食生活に注意します。また排便の時間が長くならないようにすること、またいきむ時間を短くすることなど、排便習慣を見直します。まず、のみ薬、坐薬、ぬり薬で治療します。多くの患者さんで、症状の改善が期待できます。手で押し込んだり、出っぱなしになった場合は手術治療を考慮します。当院では主に次の手術を行っています。
時間がかかる手術的な処置の場合、腹部に空気が溜まるのを防ぐため、自然に体に吸収される炭酸ガスを空気の代わりに使用します。処置後のお腹の張りや痛み、嘔吐といった症状が緩和されます。
- 結紮切除術
余分な痔核を通常3ヶ所切除します。内痔核手術のなかでは最も根治性があり、スタンダードな治療法です。原則4泊5日ほどの入院となります。硬化(注射)療法を併用するときもあります。 - 硬化(注射)療法
切らずに痔を治す手術といわれています。ALTAと呼ばれる薬を痔核内に注射します。痔核は一時硬くなり、その後徐々に小さくなってきます。この治療は指定の講習を受けた医師のみの治療方法です。切除術より再発の心配があるのですが、日帰りあるいは1泊2日の入院で治療します。