虫垂炎とは

虫垂とは右下腹部にある盲腸から出ている細長い器官で、ここに2次的に細菌感染を併発したものが虫垂炎です。10才から20才にかけて発症のピークがありますが、高齢になって発症することも珍しくありません。

症状

症状としては、上腹部の不快感からはじまり、徐々に右下腹部に限局した痛みになることが多いとされています。しかしながら、高齢者などでは亜急性に発症し、漠然とした下腹部の不快感から発熱を機会に診断がつくことがあります。時間が経つに従い食欲不振・吐き気・嘔吐・発熱などが出現してきます。炎症が高度になり、穿孔をきたすと腹膜炎を起こし、お腹全体に強い痛みが広がります。

当院で可能な治療法

炎症の程度が軽い場合は、まず保存的治療として抗生物質を投与して経過を見ます。症状が改善しないようであれば、手術を行います。初診の時より所見が高度な場合は、緊急手術が必要になります。従来は腰椎麻酔(下半身麻酔)で、右下腹部に切開を入れ、虫垂切除術を行っていましたが、炎症が強いと傷が大きくなり、創感染の頻度も高いため、最近では5~10mmの傷を3カ所入れて行う腹腔鏡下虫垂切除術を行っています。

腹腔鏡下虫垂切除術の様子
腹腔鏡下虫垂切除術の様子