はじめに
DPC制度の対象病院は、DPC請求とは別に、診療録(カルテ)・診療報酬請求(レセプト)情報をデータで厚生労働省に提出することが義務付けられています。
この度の「病院指標」は、提出したDPCデータから、全国統一の定義と形式に基づき作成した指標を公開するものです。
当院では指標の公開にあたり、医療広告ガイドラインを遵守しております。
DPC(診断群分類別包括制度)とは
平成15年4月より導入された、急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度です。
診療行為ごとに料金を計算する従来の方法とは異なり、入院患者様の病気と診療内容等の組み合わせを基に、国で定めた1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する方法制度です。
DPCとは、「Diagnosis Procedure Combination 診断群分類」の略称。
(Diagnosis:診断 Procedure:処置(手術、検査等) Combination:組み合わせ)
病院指標とは
病院の様々な機能や診療の状況などを具体的に数値化し示したものです。
病院指標を評価、分析することによって医療の質の向上を図っていきます。
医療広告ガイドラインとは
医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針です。
全体の集計方法と定義
各指標の集計は、厚生労働省が定める集計基準に従い行っております。
使用するデータ
様式1・・・・・・診療録情報(主傷病名、入院の目的、手術術式 等)
様式4・・・・・・診療報酬請求情報(医科保険診療以外のある症例調査票)
Dファイル・・・ 〃 (診断群分類点数表により算定した患者に係る診療報酬請求情報)
※患者情報はすべて匿名化されています。
対象となる患者データ
2024年6月1日から2025年5月31日までの退院患者で、一般病床に入院した患者
※集計対象外
・入院した後24時間以内に死亡した患者
・地域包括ケア病床のみに入院した患者
・労災・自賠責・自費・治験・先進医療の患者など
患者数等の表記について
患者数が10症例未満(0件~9件)の場合は、個人情報保護のため表示していません。
患者数等を”‐(ハイフン)”にて表示しています。
DPCデータによる病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大がんのUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前 1 時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数
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年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | – | 16 | 22 | 52 | 108 | 266 | 339 | 603 | 402 | 85 |
- 令和6年度(令和6年6月1日から令和7年5月31日)に退院された患者数は1,894人で、平均年齢は69歳です。
- 割合としては70歳代の方が31.8%と一番多く、60歳以上の割合が全退院患者の約75%となっております。
- 30歳未満では虫垂炎や痔核の患者さんが多く、40歳以降から胆のう炎・ヘルニア・早期がん、70歳以降からは、進行がん・肺炎の患者さんが増加傾向にあります。
- 当院は平成30年10月に40床あるうちの9床を地域包括ケア病床として移行しており、地域包括ケア病床のみに入院した患者さんは集計対象外となります。そのため、本集計では、実際の退院患者数より少なくなっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
DPC14桁分類(DPCコード)の患者数を診療科別に集計し、上位5位までのDPCコード、DPC名称、患者数、平均在院日数(自院) 、平均在院日数(全国)、転院率、平均年齢、解説を示しています。
【DPC14桁分類(DPCコード)】
診断群分類を表すコードです。
入院期間中にもっとも医療資源が投入された傷病名と、入院期間中に行われた手術・処置等の組み合わせによって決定されます。
消化器内科
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DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患 手術あり(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術) | 819件 | 2.04日 | 2.57日 | 0.49% | 67.42歳 | |
060210xx99000x | 腸閉塞(イレウス) 手術なし | 45件 | 11.07日 | 9.08日 | 4.44% | 76.49歳 | |
060102xx99xxxx | 憩室炎、憩室出血等 手術なし | 30件 | 9日 | 7.6日 | 3.33% | 66.93歳 | |
060020xx04xxxx | 胃がん 手術あり(内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)) | 26件 | 7.27日 | 7.45日 | 3.85% | 77.77歳 | |
060130xx9900xx | 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし | 25件 | 8.36日 | 7.67日 | 12% | 70.44歳 |
- 消化器内科では消化管疾患(食道、胃、小腸、大腸、肛門)や肝臓、胆のう、膵臓などの疾患の診療を行っております。なかでも内視鏡的治療には力を入れており、胃がんや大腸がんの早期発見・早期治療に努めております。
- 消化器内科で最も多いのは、大腸の良性腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術となっております。次いで、腸閉塞(イレウス)が多く、手術だけでなく保存的治療も行っております。
- 早期胃・大腸がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を多く行っており、当院の検査で発見した早期がんはもちろん、他院から早期がんに対するESD目的で紹介されるケースもあります。 その他にも、流れが悪くなった胆汁を排出させる内視鏡的胆道ステント留置術(ERBD)、内視鏡的乳頭切開術(EST)も積極的に行っております。
※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和6年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
外科
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DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア 15歳以上 手術あり(腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術等) | 67件 | 5.49日 | 4.54日 | 0% | 69.63歳 | |
060335xx0200xx | 胆のう炎等 手術あり(腹腔鏡下胆のう摘出術) | 62件 | 6.77日 | 7.05日 | 0% | 61.31歳 | |
060035xx99x4xx | 結腸がん 手術なし 化学療法あり(エルプラット等) | 23件 | 3.65日 | 4.18日 | 0% | 68.35歳 | |
060035xx0100xx | 結腸がん 手術あり(腹腔鏡下結腸切除術等) | 18件 | 18.89日 | 14.81日 | 0% | 72.94歳 | |
060040xx99x5xx | 直腸肛門がん 手術なし 化学療法あり(アバスチン等) | 16件 | 3.13日 | 4.33日 | 0% | 68.94歳 |
- 外科では食道から肛門までの消化管、肝臓・胆のうなどの臓器、ヘルニアなど腹部全般の外科的疾患の診療を主に行っており、年間約350件の手術を行っております。
- 胃がん、大腸がんを中心にがん患者さんを多く診ており、手術だけでなく化学療法(抗がん剤治療)についても力を入れております。化学療法は入院だけでなく、外来や在宅でも積極的に行っております。
- 胆のう炎、虫垂炎、鼡径ヘルニアにおける腹腔鏡下手術はもちろん、胃がんや大腸がんに対しても腹腔鏡下手術を数多く行っており、より低侵襲な治療を行っております。
※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和6年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
内科
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DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0400802499x0xx | 肺炎等 75歳以上 手術なし(中等症) | 18件 | 14.5日 | 16.4日 | 11.11% | 83.44歳 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし | 14件 | 25.36日 | 20.78日 | 21.43% | 89.71歳 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 12件 | 11.17日 | 13.66日 | 0% | 78.58歳 | |
040040xx9900xx | 肺癌 手術なし | – | – | 13.41日 | – | – | |
090010xx99x0xx | 乳癌 手術なし | – | – | 9.75日 | – | – |
- 内科では肺炎・肝炎・糖尿病・高血圧・高脂血症などの一般内科疾患の診療や、生活習慣病の治療および適切な生活指導を行っております。 また、幅広く一般的な総合診療を行っております。
- 高齢者に多いと言われている誤嚥性肺炎の患者さんが多くなっており、平均年齢も85歳以上となっております。在宅療養中の患者さんや施設などに入所している患者さんの中には肺炎を発症される方が多く、 当院の訪問診療・訪問看護を通じて積極的に受け入れ、治療を行っております。 肺炎の患者さんは嚥下機能が低下している方が多く、必要に応じて嚥下訓練目的で他院に紹介させて頂くことがあります。
※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和6年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
肛門外科
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DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060241xx97xxxx | 痔核 手術あり | 53件 | 4.49日 | 5.38日 | 0% | 58.09歳 | |
060235xx97xxxx | 痔瘻 手術あり | 22件 | 4.64日 | 5.55日 | 0% | 46.23歳 | |
060260xx97xxxx | 裂肛、肛門狭窄 手術あり | 10件 | 4.8日 | 7.11日 | 0% | 68.8歳 | |
060220xx97xxxx | 直腸脱、肛門脱 手術あり | – | – | 8.93日 | – | – | |
060230xx97xxxx | 肛門周囲膿瘍 手術あり | – | – | 8.2日 | – | – |
- 肛門外科では痔核・痔瘻・直腸脱・肛門周囲膿瘍・裂肛などの肛門疾患に対する診療を行っております。患者さんの状態に合わせて保存的治療または手術を行います。
- 内痔核や痔瘻、裂肛に対する手術を多く行っており、10代から80代と幅広い年齢層の方が対象となっています。
- 肛門疾患に対するQ&Aはこちら
※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和6年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
初発の5大がんのUICC病期分類別並びに再発患者数
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初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃がん | 26 | – | – | 18 | – | 11 | 1 | 7 |
大腸がん | 16 | 33 | 30 | 43 | 17 | 22 | 1 | 7 |
乳がん | – | – | – | – | – | – | 1 | 7 |
肺がん | – | – | – | – | – | – | 1 | 7 |
肝がん | – | – | – | – | – | – | 1 | 7 |
※ 1:UICC TNM分類,2:がん取扱い規約
罹患率の高い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)を病期(ステージ)ごとに集計したものです。
医師が「がん(がん疑い)」と診断した時に1件とカウントされ、①がんの大きさや進展度、②リンパ節転移、③遠隔転移の有無によって病期(ステージ)が決定します。病期(ステージ)は数字が大きいほど「進行しているがん」であると表されます。
当院では胃がんと大腸がんが多くなっています。
また、stageⅣの末期がんの患者さんも多く、患者さんのQOL(生活の質)に合わせた総合的ながん医療を提供しております。
※集計期間中に退院した患者さんが対象で、延患者数を集計しています。
※「初発」の病期分類に基づいたものです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | – | – | – |
中等症 | 18件 | 17.94日 | 79.56歳 |
重症 | – | – | – |
超重症 | – | – | – |
不明 | – | – | – |
- 市中肺炎とは普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎の事を言います。
- 高齢者では症状がハッキリしない場合もあり、出来るだけ早期に適切な抗菌薬を投与する必要があります。
- 年齢が高いほど重症度が高くなり、平均在院日数が長くなる傾向があります。
- 当院では重症度1および重症度2の中等症に分類される患者さんを多く治療しております。
※この集計では成人とは15歳以上の患者さんを指します。
※重症度分類については市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により分類しています。
1.男性≧70歳、女性≧75歳
2.BUN≧21又は脱水
3.酸素飽和度≦90%
4.意識障害(肺炎に由来する)
5.収縮期血圧≦90mmHg
軽症:上記5つの項目がいずれも満たさない。
中等症:上記5つの項目で1~2つを有する。
重症:上記5つの項目で3つを有する。
超重症:上記5つの項目で4~5つを有する。
不明:重症度分類の各因子が1つでも不明。
脳梗塞の患者数等
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発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | – | – | – | – |
その他 | – | – | – | – |
- 急性期治療が必要な場合には、専門病院・高次医療機関への紹介を行っております。
- 当院は在宅療養支援病院の認定を受けており、ご希望があれば在宅診療での対応を行っております。
- この度の集計では、脳梗塞の患者数は10症例未満となっております。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
実施された手術の術式別患者数を診療科別に集計し、上位5位までのKコード、術式名称、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
【Kコード】
診療報酬医科点数表で定められた術式を表すコードです。このコードに基づいて診療報酬保険請求が行われます。
消化器内科
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Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) | 804件 | 0.04日 | 1.08日 | 0.62% | 67.46歳 | |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 25件 | 0日 | 4.52日 | 0% | 67歳 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) | 23件 | 0日 | 6.52日 | 4.35% | 77.65歳 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) | 19件 | 0日 | 1日 | 0% | 66.26歳 | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | 12件 | 4.92日 | 3.75日 | 75% | 83.75歳 |
- 消化器内科では上部消化管、下部消化管における内視鏡的治療を積極的に行っております。中でも大腸の良性腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を多く行っております。その他に早期がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を多く行っており、胃がん・大腸がんだけでなく、食道がんに対しても行っております。
- 当院では胃瘻造設目的の紹介入院が多くなっており、短時間かつ患者さんの苦痛が少ない内視鏡下での胃瘻造設を行っております。増設後は紹介元の医療機関と連携しながら転院調整を行っております。
- 当院で行っている主な内視鏡的治療はこちら
※患者数上位5位までを掲載しています。
※1入院期間で主要な手術1つのみを症例数に集計しているため、手術の実施件数と必ずしも一致するとは限りません。
※術前日数:様式1 開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数
※術後日数:主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1 終了日まで
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
外科
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Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆のう摘出術 | 63件 | 1.05日 | 4.71日 | 0% | 61.17歳 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 | 58件 | 0.98日 | 3.45日 | 0% | 67.29歳 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 19件 | 2.37日 | 16.95日 | 0% | 72.95歳 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 11件 | 0.73日 | 5.09日 | 0% | 51.27歳 | |
K740-22 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) | 10件 | 2.5日 | 15.9日 | 10% | 73.6歳 |
- 外科では腹腔鏡下による胆のう摘出術、鼠径ヘルニア手術、虫垂、胃がん、大腸がん切除術を多数行っております。 腹腔鏡手術とは「腹腔鏡」というテレビカメラでおなかの中を確認しながら行う手術で、開腹手術と比べ創部が小さいため、手術中の出血や手術後の痛みが少ない利点があります。 炎症や癒着が高度な場合は、より安全で確実な手術を行うため、開腹手術へ移行することがあります。
- 当院で行っている主な腹腔鏡下手術はこちら
※患者数上位5位までを掲載しています。
※1入院期間で主要な手術1つのみを症例数に集計しているため、手術の実施件数と必ずしも一致するとは限りません。
※術前日数:様式1 開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数
※術後日数:主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1 終了日まで
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
肛門外科
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Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7434 | 痔核手術(脱肛を含む。)(根治手術) | 44件 | 0.09日 | 3.57日 | 0% | 57.77歳 | |
K7461 | 痔瘻根治手術(単純なもの) | 12件 | 0日 | 3.42日 | 0% | 43.33歳 | |
K7462 | 痔瘻根治手術(複雑なもの) | 11件 | 0.09日 | 3.55日 | 0% | 47.82歳 | |
K7521 | 肛門形成手術(肛門狭窄形成手術) | – | – | – | – | – | |
K7435 | 痔核手術(脱肛を含む。)(根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴うもの)) | – | – | – | – | – |
- 肛門外科では痔核、痔瘻に対する手術を多く行っており、患者さんのニーズに合わせたオーダーメイドな治療を行っております。
- 痔核の手術としては、痔核を切除する結紮切除術、切除は行わず専用の薬を痔核内に注射して硬化させて小さくする硬化(注射)療法、結紮切除術と硬化療法を併用してより根治に近づける併用療法などがあります。
※患者数上位5位までを掲載しています。
※1入院期間で主要な手術1つのみを症例数に集計しているため、手術の実施件数と必ずしも一致するとは限りません。
※術前日数:様式1 開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数
※術後日数:主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1 終了日まで
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数
その他(播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群(DIC) | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | – | – |
異なる | – | – |
医療の質の向上、改善に資するため、診療上ゼロにすることはできませんが、少しでも改善すべき項目として、上記の4つの傷病名について対象患者数と発症率を公表しております。この度の集計では、播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症は10症例未満となっております。
【播種性血管内凝固症候群(DIC)とは】
本来、出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群です。早期診断と早期治療が求められる重篤な状態です。
入院後に発症している症例が多く、感染症が重症化するケースや基礎疾患が影響しているケー
スが多いと考えられます。
【敗血症とは】
病原体が全身に波及したもので非常に重篤な状態です。
無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る疾患です。
【真菌症とは】
真菌が種々の臓器に定着することに起因する感染症です。
【手術・処置の合併症とは】
手術や処置をしたことで起こる病態をさします。
合併症は患者さんの状態によって引き起こされる確率は様々です。
臨床上ゼロにすることは難しいですが、細心の注意を払い対応しております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
126 | 108 | 85.71% |
- この指標は、リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者のうち、肺血栓塞栓症の予防対策を実施した患者の割合です。
- 当院で施行したリスクレベル「中」以上の手術は、「腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術)」「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」「腹腔鏡下胆嚢摘出術」などです。
- 麻酔の影響で身体が動かせない状況が続くと、足の静脈の血流が滞り血栓ができやすくなります。できた血栓が肺の血管につまる病気を肺血栓塞栓症といいます。
- 当院では術前に深部静脈血栓症リスク評価表を用いてリスク判定を行い、結果により弾性ストッキングやフットポンプの装着など、適切な予防対策を行います。 低リスクの患者さんであっても、必要に応じて予防対策を行います。
血液培養2セット実施率
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血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
23 | 17 | 73.91% |
- 血液培養2セット実施率とは、血液培養が実施された日数のうち、血液培養が1日2回以上実施された日数の割合です。
- 血液の中にいる病原菌を特定する血液培養は、1セットのみだと病原菌の検出率が低く、病原菌を見逃してしまう可能性があります。 また、皮膚表面のいる常在菌の混入により誤った検査結果が出てきてしまうこともあります。 2セットで実施することで病原菌の検出率を高くすることができ、常在菌の混入かどうか判断しやすくなります。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
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広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
101 | 40 | 39.6% |
- この指標は、広域スペクトルの抗菌薬が処方された患者のうち、抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数の割合です。
- 当院で該当する広域スペクトル抗菌薬は、「メロペネム」「セフェピム」「タゾピペ」です。
- 抗菌薬の安易な使用は耐性菌の出現をもたらすため、適切な使用が必要です。当院では、広域スペクトル抗菌薬を使用する場合は届出制としております。
転倒・転落発生率
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退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数(分子) | 転倒・転落発生率 |
---|---|---|
12361 | 23 | 1.86‰ |
- 患者様が安心・安全に過ごせる環境作りに努めています。個々の患者様に併せてベッドの高さの設定、ベッド柵介助バーの設置等も行っております。また、転倒予防のため日頃から履き慣れた靴を持参頂くようお願いしています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
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退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
---|---|---|
– | – | – |
- 分子の値が10件未満と小さく、医療の質として良好な結果ですが、値が小さすぎるため「-(ハイフン)」で表示しています。
万が一、転倒が発生した際には速やかに医師の診察を行い、レベルに分けた転倒後の対応を行っています。定期的に研修を行い、リスク感知力を高め、すぐに対応できる体制を整備しています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
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全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
222 | 206 | 92.79% |
- あらかじめ予防的に抗菌薬を投与することで、手術部位感染を防ぎ、回復をスムーズにすることが目的です。
手術開始前に抗菌薬投与が終了するようにしています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
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退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
– | – | – |
- 分子の値が10件未満と小さく、医療の質として良好な結果ですが、値が小さすぎるため「-(ハイフン)」で表示しています。
褥瘡の予防と早期発見に努めています。定期的な体位変換、ポジショニングを行い、個々の患者様の状態に合わせ、必要に応じて体圧分散マットレスやクッションを使用しています。栄養士を中心に患者様の栄養状態の把握と管理を行っています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
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65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
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1252 | 265 | 21.17% |
- 当院では管理栄養士が多職種と協働で早期に低栄養のリスクを評価し、適切な介入をすることで入院期間の短縮、予後改善に努めています。
身体的拘束の実施率
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退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
---|---|---|
12361 | 319 | 2.58% |
- 患者様の尊厳を第一に考え、原則として身体拘束は行いません。
転倒やチューブ自己抜去などの危険性を事前にアセスメントし、離床センサーや見守り強化による代替え手段の活用を検討します。身体拘束ゼロの取り組みについて勉強会を開催し意識向上に努めています。
更新履歴
- 2025/9/26 「令和6年度 病院情報の公表」 公開