はじめに

DPC制度の対象病院は、DPC請求とは別に、診療録(カルテ)・診療報酬請求(レセプト)情報をデータで厚生労働省に提出することが義務付けられています。
この度の「病院指標」は、提出したDPCデータから、全国統一の定義と形式に基づき作成した指標を公開するものです。
当院では指標の公開にあたり、医療広告ガイドラインを遵守しております。

DPC(診断群分類別包括制度)とは

平成15年4月より導入された、急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度です。
診療行為ごとに料金を計算する従来の方法とは異なり、入院患者様の病気と診療内容等の組み合わせを基に、国で定めた1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する方法制度です。
DPCとは、「Diagnosis Procedure Combination 診断群分類」の略称。
(Diagnosis:診断 Procedure:処置(手術、検査等) Combination:組み合わせ)

病院指標とは

病院の様々な機能や診療の状況などを具体的に数値化し示したものです。
病院指標を評価、分析することによって医療の質の向上を図っていきます。

医療広告ガイドラインとは

医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針です。

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)


全体の集計方法と定義

各指標の集計は、厚生労働省が定める集計基準に従い行っております。

使用するデータ

様式1・・・・・・診療録情報(主傷病名、入院の目的、手術術式 等)
様式4・・・・・・診療報酬請求情報(医科保険診療以外のある症例調査票)
Dファイル・・・ 〃 (診断群分類点数表により算定した患者に係る診療報酬請求情報)
※患者情報はすべて匿名化されています。

対象となる患者データ

2022年4月1日から2023年3月31日までの退院患者で、一般病床に入院した患者
※集計対象外
・入院した後24時間以内に死亡した患者
・地域包括ケア病床のみに入院した患者
・労災・自賠責・自費・治験・先進医療の患者など

患者数等の表記について

患者数が10症例未満(0件~9件)の場合は、個人情報保護のため表示していません。
患者数等を”‐(ハイフン)”にて表示しています。


DPCデータによる病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大がんのUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 13 28 59 127 194 292 600 323 99

 

年齢階級別退院患者数

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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DPC14桁分類(DPCコード)の患者数を診療科別に集計し、上位5位までのDPCコード、DPC名称、患者数、平均在院日数(自院) 、平均在院日数(全国)、転院率、平均年齢、解説を示しています。

 

【DPC14桁分類(DPCコード)】
診断群分類を表すコードです。

入院期間中にもっとも医療資源が投入された傷病名と、入院期間中に行われた手術・処置等の組み合わせによって決定されます。

 

消化器内科

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DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患 手術あり(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術) 668件 2.01日 2.64日 0.00% 67.68歳
060102xx99xxxx 憩室炎、憩室出血等 手術なし 45件 9.29日 7.63日 0.00% 59.09歳
060020xx04xxxx 胃がん 手術あり(内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)) 39件 8.67日 7.76日 0.00% 75.13歳
060210xx99000x 腸閉塞(イレウス) 手術なし 31件 9.35日 9.00日 6.45% 71.68歳
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症 手術なし 25件 6.92日 7.79日 4.00% 57.80歳

※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和元年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数

 

外科

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DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 手術あり(腹腔鏡下胆嚢摘出術) 55件 8.31日 6.93日 1.82% 58.87歳
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 15歳以上 手術あり(腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術等) 46件 6.02日 4.59日 2.17% 70.57歳
060035xx99x7xx 結腸がん 手術なし 化学療法あり(セツキシマブ等) 26件 2.27日 4.79日 0.00% 73.54歳
060035xx99x6xx 結腸がん 手術なし 化学療法あり(アバスチン等) 21件 2.95日 4.44日 0.00% 75.81歳
060150xx03xxxx 虫垂炎 手術あり(腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わない等) 19件 5.95日 5.32日 0.00% 41.00歳

※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和元年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数

 

内科

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DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 35件 19.83日 21.11日 20.00% 87.97歳
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 12件 14.58日 13.61日 8.33% 82.67歳
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり(胃瘻造設、中心静脈ポート造設等)
0400801499×001 肺炎等 75歳以上 手術なし(重症度分類:1)
050130xx9900x0 心不全 手術なし 転院以外

※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和元年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数

 

肛門外科

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DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 50件 4.90日 5.46日 0.00% 56.48歳
060235xx97xxxx 痔瘻 手術あり 17件 6.18日 5.68日 0.00% 47.71歳
060220xx97xxxx 直腸脱、肛門脱 手術あり
060260xx97xxxx 裂肛、肛門狭窄 手術あり
060180xx01x0xx クローン病 手術あり(痔瘻根治術)

※患者数上位5位までを掲載しています。
※全国の平均在院日数は令和元年度のDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数を掲載しています。
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数


初発の5大がんのUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃がん 45 24 1 7
大腸がん 12 18 19 85 17 1 7
乳がん 1 7
肺がん 1 7
肝がん 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:がん取扱い規約
罹患率の高い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)を病期(ステージ)ごとに集計したものです。
医師が「がん(がん疑い)」と診断した時に1件とカウントされ、①がんの大きさや進展度、②リンパ節転移、③遠隔転移の有無によって病期(ステージ)が決定します。病期(ステージ)は数字が大きいほど「進行しているがん」であると表されます。
当院では胃がんと大腸がんが多くなっています。
また、stageⅣの末期がんの患者さんも多く、患者さんのQOL(生活の質)に合わせた総合的ながん医療を提供しております。
※集計期間中に退院した患者さんが対象で、延患者数を集計しています。
※「初発」の病期分類に基づいたものです。


成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 18件 15.89日 85.72歳
重症
超重症
不明

※この集計では成人とは15歳以上の患者さんを指します。
※重症度分類については市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により分類しています。
1.男性≧70歳、女性≧75歳
2.BUN≧21又は脱水
3.酸素飽和度≦90%
4.意識障害(肺炎に由来する)
5.収縮期血圧≦90mmHg
重症度0:上記5つの項目がいずれも満たさない。:軽症
重症度1:上記5つの項目で1つを有する。:中等症
重症度2:上記5つの項目で2つを有する。:中等症
重症度3:上記5つの項目で3つを有する。:重症
重症度4:上記5つの項目で4つを有する。:超重症
重症度5:上記5つの項目全て有する。:超重症


脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内
その他

※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数


診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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実施された手術の術式別患者数を診療科別に集計し、上位5位までのKコード、術式名称、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。

 

【Kコード】

診療報酬医科点数表で定められた術式を表すコードです。このコードに基づいて診療報酬保険請求が行われます。

 

消化器内科

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Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 657件 0.02日 1.02日 0.00% 67.80歳
K6532 内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 37件 0.05日 7.81日 0.00% 75.95歳
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 20件 0.05日 3.40日 0.00% 65.60歳
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 16件 1.63日 5.50日 6.25% 71.38歳
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 15件 4.80日 12.53日 53.33% 84.53歳

※患者数上位5位までを掲載しています。
※1入院期間で主要な手術1つのみを症例数に集計しているため、手術の実施件数と必ずしも一致するとは限りません。
※術前日数:様式1 開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数
※術後日数:主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1 終了日まで
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数

 

外科

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Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 60件 1.88日 5.60日 1.67% 59.28歳
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 36件 0.94日 3.33日 0.00% 69.58歳
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 19件 0.89日 4.05日 0.00% 41.00歳
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 17件 7.18日 18.29日 0.00% 71.00歳
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 14件 1.21日 3.07日 0.00% 78.64歳

※患者数上位5位までを掲載しています。
※1入院期間で主要な手術1つのみを症例数に集計しているため、手術の実施件数と必ずしも一致するとは限りません。
※術前日数:様式1 開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数
※術後日数:主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1 終了日まで
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数

 

肛門外科

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Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7434 痔核手術(脱肛を含む。)(根治手術) 44件 0.09日 3.84日 0.00% 57.09歳
K7462 痔瘻根治手術(複雑なもの) 17件 0.53日 5.35日 0.00% 46.82歳
K7435 痔核手術(脱肛を含む。)(根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴うもの))
K7421イ 直腸脱手術(経会陰)(腸管切除を伴わない)
K742-2 腹腔鏡下直腸脱手術

※患者数上位5位までを掲載しています。
※1入院期間で主要な手術1つのみを症例数に集計しているため、手術の実施件数と必ずしも一致するとは限りません。
※術前日数:様式1 開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数
※術後日数:主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1 終了日まで
※転院率:転院患者数/各コード別の全退院患者数


その他(播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群(DIC) 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる

医療の質の向上、改善に資するため、診療上ゼロにすることはできませんが、少しでも改善すべき項目として、上記の4つの傷病名について対象患者数と発症率を公表しております。この度の集計では、播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症は10症例未満となっております。

 

【播種性血管内凝固症候群(DIC)とは】
本来、出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群です。早期診断と早期治療が求められる重篤な状態です。
入院後に発症している症例が多く、感染症が重症化するケースや基礎疾患が影響しているケー
スが多いと考えられます。

 

【敗血症とは】
病原体が全身に波及したもので非常に重篤な状態です。
無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る疾患です。

 

【真菌症とは】
真菌が種々の臓器に定着することに起因する感染症です。

 

【手術・処置の合併症とは】
手術や処置をしたことで起こる病態をさします。
合併症は患者さんの状態によって引き起こされる確率は様々です。
臨床上ゼロにすることは難しいですが、細心の注意を払い対応しております。
令和4年度に対応した手術・処置の合併症としては下記のとおりです。

 

●する出血及び血腫
「EMR後出血」 「術後出血」

 

●処置に続発する感染症
「手術創部膿瘍」 「術後創部感染」