“食べられる喜びが、患者さまの一日も早い病気の回復につながれば…。” “安全で美味しく入院生活の楽しみの一つになるようなお食事とは…。” “経口摂取が難しくなってきた患者さまの栄養補給法の工夫は…。” そんな思いの中で、患者さまひとりひとりに目をむけた、やさしさの伝わる栄養管理を目指しています。そして患者さまのQOL向上や、退院後の食生活の改善にもつながるようなサポートができるよう、日々に工夫や努力を重ねています。
私達のおこなっている[栄養管理]は、治療の一環として大切な役割を担っています。
それぞれの病態に応じた献立を作成し、食べることで身体の内面から健康になるようサポートします。食べやすい調理形態、アレルギーや嗜好、食事時間。また一度にお食事を召し上がる事の出来ない患者さまには、個々に合わせた補食(おやつ)を工夫させて頂きます。経腸栄養剤の選択、水分補給の方法などについてもきめ細やかに管理しています。私達はどんな小さな事でもご希望に添え答える対応をいたします。
お気軽にお申し付けください。
調理は経験を積んだ調理師たちが担当します。月に一度、日頃の反省や気づきをもとに調理師の立場からも意見を出し合い、新メニューを考案していきます。メニュー開発だけでない食器や補助具の工夫など、日々の提案は管理栄養士だけでなく調理師も参加して行います。
お食事はベッドサイドまでお持ちし、下膳にも伺います。在院日数の短い当院では、入院中はホテルのように過ごして頂きたい。そんな思いで、増改築によって新しい病棟になってからは配膳下膳をさせて頂いています。明るい食堂談話コーナーでのお食事もお楽しみください。
新鮮で安全な自然食材や、温かみのある食器を使用しています。
病院給食は他の集団給食と異なり、対象者が患者さまであることから、感染を起こしやすく通常の集団給食施設よりも高度な衛生管理が求められています。
栄養管理部では、衛生管理にも重点を置き、日々の業務においては清潔、迅速を心掛け、安全の保持に努めています。増改築では、機器の一新、電化厨房の導入や衛生・非衛生区域の区分けをし、ハード面からの衛生管理も強化しました。院内では年に2回栄養管理部独自の衛生管理研修も実施しています。
多職種が関わる栄養治療が必要と判断された患者さまにはNST(栄養サポートチーム:Nutrition Support Team)が介入し、各専門職種からの意見から、患者さまに適した栄養管理プランを話し合い、きめ細やかに栄養管理を行います。
当院では週に1回NST回診。また月に1回症例検討や活動における会議も実施しています。
現在当院には、栄養管理部の関与するチーム医療として、癌化学療法チーム、緩和ケアチーム、褥瘡チーム等があり、それらが介入する患者さまは栄養状態が悪い方が多く、NSTとの連携が必要となっています。栄養状態の改善はさまざまな病気の予防・治療の基本であり、当院ではこれから益々横のつながりをもったNST活動を積極的におこなっていきたいと思っています。
個々の患者さまの栄養状態や全身状態が把握できるようになり、専門性を生かした効果的な栄養管理で疾患の回復に寄与できます。NSTの介入により、うまく食べられず退院が出来なかった患者さまが食べることが出来るようになり、退院できた事例もあります。
術前栄養管理は術後に比べて軽視されがちであるが、術後合併症予防の観点などからは、むしろ術後より重要と考えられます。しかし最近は術前の入院期間が短くなる傾向にあるため、外来における栄養管理の重要性が増していると考えらえます。当院でも入院前の術前管理の充実が、今後のNST介入の課題の一つと考えています。
私達は氾濫するメディアからの安易な情報や、あふれる健康食品等に振り回されることが無いよう、基本をきちんと理解して頂ける分かり易い指導に勤めています。
様々な疾患を持つ患者さまにおいて、日常の食生活を適切なものに改善することは重要で、実践するための知識や方法を身に付け習慣にすることで、治療効果はいっそう高まります。食事調査や検査結果から、個々に合わせた実践可能な改善方法を管理栄養士がアドバイスしていきます。
入院患者さまにおいては、入院中の栄養管理と同時に、退院後の家庭での食生活の管理についても知っておいていただくことが大切で、病院でお出しする食事そのものが、栄養指導の媒体であるとも考えています。
指導を受けて頂く際、ご家族の参加もお願いをする事がありますので、ご協力をお願いします。食に関する事は、管理栄養士にお任せください。 小さな疑問もお気軽にお尋ねください。
手作りのお菓子とお茶で憩いの時間を、毎週1回(不定期)、病棟の食堂談話室で、患者さまとご家族、お見舞いの方などを対象に、手作りのお菓子とお茶を楽しんでいただいています。食堂談話室にいらっしゃることができない患者さまには病室までお持ちしています。時には退院をされた患者さまのご参加もあり、「お茶を飲みながらホッとできる時間」を皆さま楽しみにして下さっています。
このアフタヌーンティーサービスは、多くの病院スタッフと協力をしながら運営をしています。
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